• TOP
  • 組織力強化
  • チーム作りで勝ちに貢献する「マネ飯」とは~京都大学ヨット部~

チーム作りで勝ちに貢献する「マネ飯」とは~京都大学ヨット部~

TOPICS
2021年08月15日

SHARE

はじめまして。京都大学体育会ヨット部(以下、京大ヨット部)のマネージャーリーダーを務めております、4回生の佐藤弓月です。今回、京大ヨット部マネージャーの業務の中核である「マネ飯」について記事を書かせて頂きます。またそこから、私を含めマネージャーチームの京大ヨット部への想いが伝われば幸いです。

「マネ飯」とは

京大ヨット部マネージャーの主な仕事として、「レスキュー」と「マネ飯」の2つがあります。「レスキュー」はヨットの練習中の救護を行う仕事で、「マネ飯」とはその名の通り、部の練習の中でマネージャーがプレイヤーのために作るご飯のことです。私が入部した時には既に伝統としてマネ飯の文化があり、またこれは、他大学のヨット部にも多くある文化です。

レスキューと同様にマネ飯も、マネージャーの大切な仕事、またプレイヤーに求められている仕事として、新歓でも大きなアピールポイントとなっています。私もその2つに惹かれたことが、入部した理由の中で大きいです。

 

京大ヨット部におけるマネ飯

京大ヨット部は、基本的に毎週土日に活動しており、活動日にはほとんど必ずマネ飯を作っています。午前と午後に練習が分かれているので、マネージャーはレスキュー組とマネ飯組に分かれて交代で仕事を担っています。マネ飯を作る際は、練習終わりに元気になってほしい、栄養をたくさん摂ってほしいという想いを込めて作っています。

また、マネ飯を食べる時は、まず艇庫の大部屋に机を何個か並べ、1回生が男女バランスよくなるよう配膳し、学年関係なく好きなところに座ります。最後にそこへ、自分のご飯を持ったマネージャーたちがそれぞれの机であいているところに座っていきます。主将が「今日の献立!」と言うと、下級生マネージャーが「〇〇丼です。」と献立を発表し、部員たちが「ウェーイ」などの声をあげ、いただきますをします。いただきますの「い」の時点で、プレイヤーたちは、おかわりの列に並ぶ臨戦態勢に入っています。

食べている時は、普段あまり話すことのない上回生、下級生と話すことが出来たり、皆でしょうもない話をしたり、気が付けば真面目にヨットの話をしていたり。練習とは比にならない、この温かい雰囲気がメリハリになり、京大ヨット部のチーム作りにも影響を与えていたのではないかと思います。

 

マネ飯が繋ぐ外部の方々との関わり――【公式】京大ヨット部マネ飯 kuyc_food

日々の京大ヨット部のマネ飯を発信する媒体として、 Instagramのアカウント「kuyc_food」 があります。初投稿は2017年5月28日なので、 私が入部する丁度1年前に開設されているようです。

もう一つ、 京大ヨット部公式のアカウントがあるにも関わらず、kuyc_ foodは現在フォロワーが487人と、 サブアカウントにしては人気があります。OB・OG、 保護者の方々、 他大学ヨット部のマネージャーが主に見てくれているという実感が ありますが、先輩方が投稿している様子を見ると、 特に何か目標や意図があってアカウントを運営していたわけではな く、 ただただマネ飯を投稿して楽しんでいただけのように思います。 京大ヨット部マネージャーチームの、 いい意味で体育会らしくないところが存分に出たアカウントになっ ています。ぜひ覗いてみてほしいです。

また、下宿をしている部員が多いですが、 わざわざお父さんやお母さんに日々のご飯を送っている部員など私 が知っている中ではいません。そんな中で、このアカウントでは、 基本休日のみにはなりますが、 普段部員がどんなご飯を食べているのかを知ることができます。 我が子の部活での様子のみならず、 ご飯さえも見ることができる安心感があるそうで、 保護者の方から感謝の言葉や、応援の言葉、 マネ飯に使えるような差し入れまで、たくさん頂きます。


kuyc_food」は、新たな繋がりだけでなく、 部員の大切な人たちとの繋がりも担っているのだと思います。

(【公式】京大ヨット部 マネ飯(@kuyc_food) • Instagram写真と動画 )



マネ飯へのモチベーション

マネ飯を作る上でのモチベーションは、もちろんプレイヤーです。暑い日も寒い日も練習から帰ってきたプレイヤーたちの、「今日のご飯なに?」と、まるで家にいるかのような安定の台詞。いただきますと同時におかわりの列に走る姿。あちらこちらから聞こえる「美味しい!」「うまい!」「なにこれ!」の嬉しくなる言葉たち。すべてが私たちのモチベーションです。

 

 

愛すべき歴代の失敗談

プレイヤーはもちろん、他大学の方からよくお褒めの言葉をいただく京大マネ飯ですが、もちろん失敗談もたくさんあります。

何度もやってしまったのが、「ご飯炊き忘れ事件」。20合炊きの業務用炊飯器のスイッチを押し忘れ、何度あのスイッチを恨んだことかわかりません。いつもマネージャーに優しいプレイヤーたちも、こういう時には意外と怖いものです。「え?炊けてないの?」、「先着替えるか。」等、本人たちにそんな気がないのはわかってはいますが、あの時ほど肩身の狭い思いをすることはないです。

他にも、朝ごはん発酵事件、担々麺辛すぎ事件、ハンバーグの材料足りない事件など、有名な失敗から、マネージャーだけに秘められた失敗まで、愛すべき失敗談はまだまだたくさんあります。

 

コロナ禍におけるマネ飯

2020年3月頃から艇庫生活がストップされ、今に至ります。もちろんその時からマネ飯は1度も作られていません。マネージャーの仕事として、京大ヨット部の中の大切な要素として大きな存在だったマネ飯が作られていないこと、そして、それ以降に入部したマネ飯を知らない世代が部員の半分にも及んでいること、遺憾にたえないことです。マネ飯を経験している世代が引退してしまう前に、また再開できることを切に願っています。

 

マネージャーとして目指す京大ヨット部

今年の京大ヨット部では、「万里一空」をスローガンに、 全日本インカレ総合入賞を目指しています。そのため、 マネージャーチームでは、「勝ちに貢献する」 というスローガンを掲げて、今までよりもより、 プレイヤーと同じ目線で勝ちにこだわっています。

第84代で全日本インカレ総合5位を達成しましたが、 第85代では470級がインカレ予選を突破することができず、 全日本インカレでの目標には到達できませんでした。しかし、 京大ヨット部の全日本インカレでの強みは、「総合力」です。 レースメンバーも、サポートメンバーも、 陸で待機する下級生たちも、監督・コーチの方々も、 すべての力が合わさって京大ヨット部の「勝ち」に繋がります。マネージャーチームは、 この総合力を結集させるために最前線で日々サポートに徹しています。


マネージャーチームのスローガンは、プレイヤーと同じ気持ちで、より結果に対して 喜んだり悔しがったりしてほしいという想いから掲げたものですが 、今のマネージャーの後輩たちには、「勝ちに貢献する」 を意識しながら、それぞれが京大ヨット部を大好きなまま、 楽しんで活動してほしいと思っています。 今の京大ヨット部マネージャーチームは、 それが実現できていると感じています。 プレイヤーと同じようにレースに臨み、 日々反省しながら目標に向かって頑張っています。

マネージャーはマネージャーらしく、 マネ飯を作ることはできなくても、 チームの雰囲気作りに貢献していきたいです。その先に、 艇庫生活があった時のような、 オンオフの切り替えがしっかりある、 良い意味で体育会らしくない京大ヨット部のままで目標を達成する 未来があれば良いなと思います。


コロナ禍で今までのようなサポートができずに悩みながらも奮闘す るすべてのマネージャーの皆様、本当にお疲れ様です。 私が4回生になってやっと少しずつわかってきたことですが、 プレイヤーはマネージャーの些細なサポートも見てくれています。 直接結果を出して部活に貢献はできませんが、 どんなサポートもプレイヤーの力になると信じて、 引退まで一緒に頑張りましょう!

私自身のマネージャー人生は、あと1か月程となりましたが、 歴代のマネージャーの先輩方の、 マネ飯にあふれていた京大ヨット部への想いを胸に、 マネージャーチーム全員で勝ちに貢献できるよう、 最後までサポートし続けていきたいです。


SHARE

RELATED EVENT関連イベント

DOWNLOAD資料ダウンロード