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100万円のクラウドファンディング達成!その先に目指していること|早稲田大学女子軟式野球サークルWASEBI

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2019年07月29日

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はじめに

早稲田大学女子軟式野球サークルWASEBI(以下、WASEBI)は、早稲田大学の“同好会”に所属する団体である。部活ではなくサークルだが、全日本大学女子野球連盟に所属し、年2回のリーグ戦や夏の全国大会に向け活動している。

 

1995年に発足し、チームでの最高成績は2008年大会の3位と2005年・2006年大会のベスト4。

 

WASEBI は、2019年6月18日~7月31日の約1ヶ月半クラウドファンディングに取り組んでいるが、その取り組みの裏には大きな目標があった。

現在100万円の目標金額の内、97%(記事執筆時:7月28日)である972,284円もの金額が集まっているわけだが、WASEBIが、この取り組みの先にどんなことを目指しているのかを紹介したい。

なんと記事を執筆し始めてからの30分の間に達成しました!との連絡があり、終了予定3日前の7月28日100万円の目標金額を達成した。


今回は、キャプテンの松本美瑳選手(4年生・捕手)と粥川ひかる選手(4年生・投手)にクラウドファンディングに至るまでの経緯を伺った。 

WASEBIの変化

日本の女子野球界をリードしていきたい。

「日本一になる」

このような大きな目標を掲げだしたのは、約1年前だと思います。

もともと“サークル”とはいえ、全国大会を目指し活動してきましたが、女子軟式野球チームの歴史や伝統の中で、どうしても体育大学が強く、WASEBIは、そのような大学から試合中なんとか1点だけでも取ろうというスタンスでした。

 

チームの歴史として『体育大には、勝てるはずもない。』ということが当たり前のこととして雰囲気が出来上がっていましたし、入学した当時私たちもそこに何の疑問も持たず、練習に取り組んでいました。


それが2年前チーム状況が大きく変わるきっかけができました。

日本体育大学卒の監督(現在の小花利文監督)に変わり、練習を基礎から徹底し、メンタルを強くすることと頭を使っていくことで、体育大のような経験があり、強い大学にも勝てるということを学んできました。


WASEBIの現チームは、初心者が半分以上。

昨年は、全国ベスト4を目標に全国大会に挑みました。

結果は、優勝したチームに1点差でサヨナラ負けしてしましたが、同時に全国優勝を目指せるという手応えも感じました。 


今年は、日本一を目標にできる。その目標に対して、本気で挑んでいます。

日本一を本気で目指すための変化

小花監督が来る前は、野球ができればそれで良い。

練習も、上手くなるためにやってはいたが、リアルに勝つことを意識できておらず、結局は『野球ができて楽しい!』


それだけでした。

 

チームが変わって、勝つための練習を意識できるようになって、練習メニューひとつやるにしても、目的を明確に練習に取り組むようになりました。

 

日本一になるために、チームの勧誘活動も見直しました。

SNSを活用したり、野球の体験会を実施したり、障がい者のチームとの交流や国際試合(台湾やニカラグア)を行なったり、地域の清掃活動を行なったり、活動の幅を広げ魅力を増やしていきました。

国際交流試合(ニカラグアの選手と)

清掃活動の様子

活動の幅を広げていったことによって出来た繋がりから、応援してくれる人がたくさんいる事を知り、それが自分たちのモチベーションにもなりました。

 

私たちの野球活動は、大前提として全国で優勝することがあります。

それだけではなく様々な活動を通じて、野球をやっているだけでは知ることもできなかった考え方や情報を知ることができ、一人の人間としての成長も実感できました。

地域の方やSNSから応援の言葉をもらい、自分たちのモチベーションになっていることはもちろんですが、社会との繋がりを感じることができたことで、“自分たちが楽しく野球だけをやっている”団体から“社会的に影響力のある”団体を目指せるのではないか、ということが見えてきました。

 

日本の女子野球界をリードしていく存在になりたい。

WASEBIがその中心になっていきたい。

いつしかそう思うようになりました。

 

影響力を持てるようになるために、今は、「日本一になる」ことと「部活になる」ことを目指しています。

女子野球の現状

実は最近、小学校~高校のカテゴリーでも軟式・硬式共に女子野球のチームが増えてきています。


私たちの時は、中学・高校で女子が野球をできないことは割と当たり前で、野球から一度離れて他の競技でスポーツを続ける選手が多かったので、今のこの流れは女子野球にとってチャンスだと思っています。


W杯で女子硬式野球が6連覇していることが影響していると思いますが、その一方で大学女子軟式野球部のチーム数は減少しています。

 

指導者がいない・部員がいないことから、部員が兼任で監督をやっている大学もあります。

WASEBIも今は“サークル”という立ち位置で活動していますが、女子野球のためにも、早く部活になって、このチャンスを活かし競技を続けてくれる女子選手の環境を整えていきたいです。

早稲田で部活になる

女子野球をやっていて、このように「日本一を目指している」「競技を広めていきたい」という思いを発信していても、『サークル』ということだけで、正直イメージが落ちてしまうことがあります。

 

練習場の確保という観点でも、サークルでは大学のグラウンドが使えず、都内にあるグラウンドを借りています。

予約可能日の0時~の予約システムへのアクセス・予約、できなかった時は、キャンセル待ちのために夜遅くまで起きている、ということもあります。

 

それに加えてバイトもしているため、時間と労力がかなり負担になっているのが現状です。

毎月のグランド代や道具代、交通費、遠征費などを賄うために、選手達はアルバイトをしながら週4日の練習、毎日の自主練習に必死に励んでいます。

 

サークルから部活になるために早稲田大学では様々な規定があり、“同好会”に所属しているWASEBIの今の状況では“部活”になるためには、様々な壁を越えていかなければなりません。

ルールを簡単にまとめると・・・


『同好会※1』に5年以上継続して所属

5年以上継続して『学生の会※1』の設立申請

『学生の会』に7年以上継続して所属

7年以上継続して『体育各部』への申請

『体育各部・早稲田大学女子軟式野球部

※1 早稲田大学は、『公認サークル』の中でも5つの分類に分けられており、“同好会”“学生の会”はそのうちの一つ。「学生の会」「学生稲門会」「同好会」「学生NPOなどに所属するサークル」「学術院承認サークル」の5つ。


部活になるためには上記の計24年が必要で、私たちは現在同好会に所属しているので、最低でもあと19年はかかることになります。


まずは、サークルでもきちんと存続していくこと。そのための条件は以下です。

1 早大生のみで21人以上、かつ2学部以上にまたがって構成員があること。

2 設立するサークル名で、学内外での活動実績が1年以上あること(入学以前の活動は認めません)。

3 領収証を添付した1年間以上の会計報告があること。領収証は必ずサークル名を宛名とし、但し書きなどで使途内容が明記されており、かつ発行者の住所・電話番号・捺印があること。

4 会長(※)幹事長、副幹事長および会計担当を1人ずつ置いていること。

5 その他、大学が必要と定める事項による。

早稲田大学公式サイト『公認サークルの設立要件』より

壁は様々ありますが、今はその地盤固めに大事な時期だと思っているので、できることは最後まで取り組もうと思っています。クラウドファンディングでの取り組みのその内の一つです。

 

部活として女子野球部が早稲田大学にきちんと存在する。

そこを目指して競技を続けてくれたり、大学からの推薦の枠が増えたりして、日本全体の競技力も上がっていくのではないかと考えています。

個人的には、女子野球部があるから、早稲田の受験を頑張ろうと思ってくれる人が増えると嬉しいです。 

クラウドファンディングを選んだ理由

クラウドファンディングでお金を集めて、早稲田伝統のユニフォームを作りたいという夢を叶えるためにお金が必要だったことは、もちろんあります。

スポンサーさんをつけたくても大学の団体だと難しいことも多いですし、大学の寄付制度等だと、OBOGさんまでのやりとりのみで終わってしまうことが多かったので、どうせやるなら、多くの人に知ってもらうことも視野に入れて活動していきたかったので、クラウドファンディングという手法を選びました。

 

プロジェクトを立てることで、拡散され、女子野球の認知度を少しでも高めたいと思いました。

 

今回の活動は、今までのSNS活動の中でも、一番反応がありました。

今までは、いいねだけだった人たちが、DMをくれるようになったり、RTや引用RTをしてくれるようになったのがとても嬉しかったです。

 

自分たちなりに各女子野球チームが、「今日は、こういう練習をしました!」「試合がありました!」という発信をたくさんしていますが、見てる人たちがどんなことに興味を持ってくれるのかは、やりながら考えてく必要があると思っています。


プロジェクトを組んでやっているところはあまりなく、今回女子野球が、新しい情報の発信の仕方をしたことで、興味を持ってくれる人が増えたのではないかと思っています。

 

今回のプロジェクトも、大きな夢の中の一つにしかすぎません。

部活になるために、選手の確保もしていかないといけないですし、やはり競技としての実力もつけていきたい。

少しでも多くの人に「女子野球」を知っていいただきたいですし、WASEBIを応援してくださる人が増えてくれると嬉しいです。

WASEBI

目標金額は達成したが、期日までクラウドファンディングでの応援は可能となっている。

HP: http://wasebi.web.fc2.com/

https://twitter.com/wasebi2014?s=17


🔥: 伝統ある早稲田のユニフォームで日本一に!〜女子野球を盛り上げたい〜

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